「介護のおしごとについて知りたい」
高齢化と介護職の需要
ニーズは多種多様そして変化します
高齢化に伴うニーズ構造の変化。頻繁に用いられる言い回しです。では何が変化したのでしょうか。人口構造は確かに変化しました。日本の人口を年齢順に上から並べるとかつてはなだらかに広がる裾野の広い山の構造を描いた人口構造の図は壺をひっくり返したかのような形を描くようになりました。
ご存じの通り我が国では高齢化と少子化が同時に進行いたしました。またそれは我が国の平均年齢が上昇傾向にあることを意味します。
そして少子化は就業人口の割合の減少を引き起こす重要な課題です。一方で高齢化は医療や科学あるいは福祉サービスの進歩によって私達が長寿命化したことを意味します。それは健康や安心あるいは幸福を目指す私達にとり好ましいことです。
地域のニーズの様相も多種多様です
またその形は地域により異なります。転居、就業や進学に伴う人口の移動はその形を変化させるのです。大都市への人口の移動は地方における長期的な課題です。
また産業構造の変化や大規模店舗の存在は私達の生活をより便利なものとしました。一方でそれに伴い街の様相も変化し続けています。街には薬店や医療機関、介護、理美容、教育関連の店舗が目立つようになりました。
それらの生活の基礎を支えるサービスはご高齢の方のみならず私達すべての人々の暮らしの必需を支えるものであるからです。このようにニーズが移動し形を結び民間及び公的サービスとして結実し顕著に目立つようになるのです。皆様のお住いの地域はどのようなご様相でしょうか。
介護職のニーズ
介護職には依然として高い需要がございます。また団塊の世代が後期高齢期に入るこれからの時代にはさらなる需要の増大が見込まれます。介護職は高齢長寿命を実現した私達にとり不可欠なニーズの高い職種なのです。また業務内容の代替性は高くありません。
陽だまりの里で働きたい
陽だまりの里で一緒に働きませんか。
陽だまりの里ホームページをご覧いただき誠に有り難うございます。弊事業所では随時求人への応募(求職)をお待ち致しております。陽だまりの里ではベテランの方から新たに介護の現場にチャレンジしたい方まで広く人材を募集致します。ハローワークの窓口を経由しあるいは直接担当へご連絡いただくことで応募していただけます。
随時ご応募及びお問合せをお待ち申し上げております。
待遇等に関して
陽だまりの里では介護部門共通の賃金表(能力給・重複型)に基づく定期昇給(人事考課(=人事評価及び待遇の決定)に基づく。)および賞与(就業規則に基づく。介護職員処遇改善加算及び介護職員等特定処遇改善加算を含む。)の制度がございます※1。また令和3年度(令和4年2月~)より介護職員処遇改善支援補助金に基づき賃金のベースアップを実現致しました。
応募等につきまして
長期間お勤めになられる予定の方は無資格(介護福祉士実務者研修又は介護福祉士初任者研修あるいはヘルパーの資格があればなお可。)からお仕事を始めていただけます。
また介護の現場で仕事を覚えながら資格を段階的に取得していただくことができます。ペルパー(介護福祉士初任者研修)から介護福祉士実務者研修、介護福祉士、ケアマネージャー(=居宅介護支援事業所及びグループホームに配置義務あり。)まで段階的にキャリアアップ※2を目指すことができます。
※1 介護職の経験及び能力または保有資格等を勘案し雇用契約時に賃金表における等級等を決定いたします。 ※2 資格取得支援制度及び資格手当制度がございます。 |
※ハローワーク窓口にて応募要項に記載の職種、職場ごとの要件及び待遇等および応募の手続き等をご確認の上ご応募ください。ご応募お待ちしております。 |
※年中無休。求職に関するお問合せは「グループホーム陽だまりの里」の日中の担当の勤務中(8:00~17:00)に随時対応致します。なお担当不在(外出)及び職務多忙の場合もございますことを予めご了承ください。ご理解の程感謝申し上げます。ご応募お待ちしております。 |
介護のおしごとの意義
付録:介護のおしごと分析
介護の世界ではどのような人材が求められるのでしょうか。優しくて思いやりがあり協調性のある人、そして優秀。なかなかそのような人物を目指すことは難しいものです。そしてそれは多くの業種で同一です。では施設介護員において求められる特別な能力や特性は存在するのでしょうか。
厚生労働省の提供する「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」を用いて「施設介護員」の分析を試みます。下記の例は施設介護員のしごとを分析したものです。また施設介護員の他にも訪問介護員や介護支援専門員などの職務の分析を試みることができます。表1は職業情報提供サイトを用いて分析した施設介護員のしごとにおけるタスク内容の実施率を示したものです。
実施率 | タスク内容 |
74.3% | 利用者の状況に応じて身体介助や生活全般の援助をする。 |
41.4% | 利用者の自立に向けた日課や訓練を考える。 |
21.4% | 障害者福祉施設で障害の状況を踏まえた介助や生活支援をする。 |
52.9% | 老人福祉施設で健康状態や残存能力に応じた介助や生活支援をする。 |
48.6% | 利用者の気力や能力を引き出すために、施設でのレクリエーションを計画し、実行する。 |
35.7% | 看護職員や医療機関との連絡や調整をする。 |
41.4% | 必要に応じて利用者の家族への連絡や調整をする。 |
41.4% | 必要に応じて利用者間の人間関係を調整する。 |
出典: 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
施設介護においては利用者の身体介護や生活全般の援助が行われています。特に高齢者介護においては医療及び認知症に対する理解やご本人様の能力に応じた自立への配慮がなされた適切な支援が求められるのです。またご家族や利用者間の人間関係を調整する能力も求められています。
次に施設介護員のしごとの興味、価値観、性質の分析の一部を示します。
仕事の性質 | スコア |
空調のきいた屋内作業 | 4.6 |
他者とのかかわり | 4.4 |
他者との身体的近接 | 4.4 |
立ち作業 | 4.2 |
歩行、走行 | 4.2 |
グループやチームでの仕事 | 4.1 |
病気、感染症のリスク | 4.0 |
他者の健康・安全への責任 | 3.8 |
時間的切迫 | 3.6 |
対面での議論 | 3.5 |
他者と調整し、リードする | 3.5 |
厳密さ、正確さ | 3.5 |
外部の顧客等との接触 | 3.4 |
ミスの影響度 | 3.4 |
電話での会話 | 3.2 |
出典: 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
表2は施設介護員のしごとの性質を降順に並べたものです。表2は施設介護員のしごとにおいては他者とのかかわりの性質が強く医療的側面がありまた議論や調整する力が求められていることを示しています。また表3は施設介護員のしごとの興味を示した表です。表3は施設介護員のしごとにおいては社会的及び企業的興味の側面が強いことを示しています。また表4は施設介護員のしごとの価値観を示した表です。奉仕・社会貢献のみならず専門性や達成感の強い職種であることが解ります。
興味 | スコア |
社会的 | 3.9 |
企業的 | 3.0 |
慣習的 | 3.0 |
現実的 | 2.8 |
研究的 | 2.5 |
芸術的 | 2.5 |
出典: 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
仕事価値観 | スコア |
奉仕・社会貢献 | 3.9 |
専門性 | 3.6 |
達成感 | 3.4 |
良好な対人関係 | 3.4 |
自律性 | 3.1 |
私生活との両立 | 3.0 |
社会的認知・地位 | 2.9 |
労働安全衛生 | 2.9 |
労働条件(雇用や報酬の安定性) | 2.8 |
組織的な支援体制 | 2.8 |
出典: 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
最後に職務におけるスキル・知識の分析を試みます。表5は施設介護員のしごとにおけるスキル・知識のスコアを降順で並べ替えたものの一部を抜粋したものです。強い傾聴力、対人能力、折衝力、あるいは説明する力が求められています。また洞察力や学習する力も求められています。
スキル・知識 | スコア |
傾聴力 | 4.4 |
他者の反応の理解 | 3.5 |
対人援助サービス | 3.5 |
説明力 | 3.3 |
文章力 | 3.1 |
読解力 | 3.0 |
指導 | 3.0 |
他者との調整 | 2.9 |
説得 | 2.9 |
新しい情報の応用力 | 2.7 |
継続的観察と評価 | 2.7 |
複雑な問題解決 | 2.6 |
学習方法の選択・実践 | 2.5 |
時間管理 | 2.3 |
交渉 | 2.2 |
論理と推論(批判的思考) | 2.1 |
心理学 | 2.0 |
セラピーとカウンセリング | 2.0 |
出典: 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
では介護のおしごとの意義はどこにあるのでしょうか。介護員はその人を医療、健康、技術的あるいは科学的な側面のみならず社会的背景までを含めて理解する必要があります。またそれには人の心の理解が必要です。
特に高齢者介護においては気分や感情(情動)の表面的な理由のみならずその背景までを理解する力が求められます。その能力は他者のみならず私達自身を含めて「人」を理解する力です。また人の営みはその人を取り巻く環境において行われます。その営みは暮らしや生活と呼ばれるものです。
その「人」を理解する力を得るにはその人の社会的背景や心理的背景、身体的な側面を含めた暮らしや生活を理解する力が必要なのです。
それらは私達を幸福へと導く力です。私達の幸福は暮らしの中にあるのです。つまり介護のおしごとには社会的で貢献的な福祉サービスを提供するという側面のみならず、私達に「人を理解する力を与え、また社会や人の暮らしに対する深い洞察を育ませ成長させる」という意義があります。